2011年08月

2011年08月30日

●パニック登山(高見)

先週、山に登った。メンバーは、黒沢美香ダンサーズのコグレさんとリッちゃんとコグレさんのお友達のミノグチさん。そして私。山に登るなど何十年ぶりのことである。

小田急線の秦野駅に朝8時集合。バスに20分ほど乗る。そのバスを待つ間、ドーナツ屋さんでコーヒーを飲んだ。そこから、この日の恐るべき体験が始まるのだ。

「オレは、あんたの足が心配だ」と、一緒にコーヒーを飲んでいたリッちゃんが、いきなり隣のおじさんに声をかけられた。リッちゃんは七分丈のズボンをはいており、素肌が見えている場所を、おじさんは「隠せ」と言う。さもなければ「塩を持参しろ」と言う。なぜなら、「山にはヒルがいる」のだそうだ。……ヒル? 山に?

さて、バスに乗り、終点から山道に入る。第一目的地はヤビツ峠で「だいたい1時間ほどだと思います」と隊長のコグレさん。ところが、
10分はおろか、10歩も行かないうちに、疲労が押し寄せた。急こう配なのだ。「げげげ。大丈夫だろうか、私は」と心の中で青ざめる。と、リッちゃんも「もう1時間ぐらい歩いた感じですよね」と言うのでかなりホッとした。コグレさんの「1時間ぐらい歩いて汗をかけば、逆にそこからは楽になりますよ」という言葉を信じ、「上体を前傾させず、重心をまっすぐ足元におろすのが山登りの疲れない歩き方だそうですよ」というリッちゃんの教えを忠実に素早くマスターして、私は黙々と登り続けていった。

5分ほど歩くと、道端にペットボトルに入れられた木酢液(もくさくえき)が何本もカゴに入っており「ご自由にお持ちください」とある。荷物になるかな…と思いながら、私は一本いただくことにした。我が家では母が、竹からつくった竹酢液(ちくさくえき)を重宝している。「こんなに要らないだろう」とこっそり少し捨てたら母にたいそうガッカリされた。あんなにガッカリするのだから木酢液も重宝するかもしれないと思ったのだ。


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山道は霧が立ちこめて、映像のような景色だった。

途中何度か休憩をせがみながら、予定どおり1時間ほどで、ヤビツ峠に到着した。汗びっしょりである。皆、リュックをおろして一息ついていたときだった。「アッ!いた!うわーーー」と、リッちゃんが天にも届きそうな大声をあげた。ヒルだ。見ると、リッちゃんの靴下の表面に黒い点が見える。慌てて靴下を脱ごうとしたところ、靴下を貫いていたヒルが「びょ~んと伸びた」とリッちゃん。伸びた先の口はリッちゃんの足首に吸いついたまま離れようとしないらしい。覗き込むと、細くて長い胴体が。靴下の表に見えていた黒い点は氷山の一角だった。ドーナツ屋のおじさんの「ひっぺがすと跡になる。俺なんか3年も跡が残ってるよ、ほらな。塩をかければ自分から口を離すから跡にならない。ひっぺがしちゃだめだ」という教えが耳に残っているのだろう、「ああ、塩がない」とクラクラしている。そこへ落ち着いたコグレさんが「ライターの火で焼いても死にますよ」と火を近づける。「ええ! そんなことしたら靴下が燃えちゃう」「大丈夫ですよ。靴下はそう簡単には焼けないから」。そして、二人でアチチ、アチチと言いながら火を近づけている。するとどうやら、ヒルは焦げて硬直したものの、依然として口はリッちゃんの足首を離さないもようだ。

そうこうしているうちに、「きゃ~」と天にも届きそうな大声の第二弾。今度はミノグチさんだ。Gパンをたくしあげた左足の膝の裏側あたりから血がたらーっとしたたっている。これにはさすがに、私だけでなくコグレさんも息を飲んだ。つまり、七分丈かどうかは問題ではないのだ。足首のスキマから、誰も気づかぬうちに、ヒルは簡単にピトピト足をよじのぼっていくということだ。ミノグチさんは、膝裏だけではなく、足首のあたりにも数カ所血がしたたり、さらに足の甲に、今まさに細くて長くて黒いヒルが…ミノグチさんの口から天に届けの声、再びだ。

コグレさんからも「私にもいた!」と声があがり、私も「私もいた!」と続く。こうして、4名、大パニック状態と化したのだった。

コグレさんは木切れで登山靴からはらいのけようとするが、意外や機敏なヒルは靴ヒモの間をすり抜け、内側へと侵入していく。「コグレン、もう一回焼いて」と頼むリッちゃんに「ちょっと待って。今は自分のヒル退治で忙しいから」と格闘を続け、「そりゃあそうだろう」と改心したのだろうリッちゃんは自らヒル退治に専心し、ミノグチさんは「そういえばさっき、冷たいな、汗が流れたのかなって思ったんです」と、血が流れる感触を思い返して身震いしながら「どうしよう、もう片方をたくしあげる勇気が出ません」と饒舌に訴えながらも思い切ってたくしあげ、右足は無傷だったことに安堵したりしている。私は、靴下ににじんだ血を発見した後、犯人を手で払いのけ、靴に隠れた兄弟だちを2匹ほど払い、さらに絹糸ほどの細さの1センチにも満たない子供を発見してこれも払いのけ息を荒らげていた。

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ヒル退治を終え、すっかりくたびれた3名。左からミノグチさん、コグレ隊長、リッちゃん。



「もう帰りたくなりました」という泣きごとを、コグレ隊長はさらりと聞き流し、「これから高度が増しますから、虫もいなくなると思うんですね」。ここで私はハタと思いつき「モクサクエキ」とりりしい声を発した。「ああ。いいかもしれません」とコグレさん。ふたをあけると、独特のいぶった酢の匂いが立ちこめる。「本当に効くんですか?」と腰のひけたミノグチさんも、皆に続いてティッシュにしませて靴になじませ始めた。ワラにもすがりたいからモクサクエキにもすがるのだ。

かくして私たちは、果敢にも、次なる目的地「二ノ塔」を目指して再び山道に入っていったのだった。(完)



おまけ1。それからは何を見てもヒルに見えるのだった。「あ。ヒルだ。木酢液をかけてみよう」と私。じゃばじゃばと浴びせると、そやつは慌てて逃げ出した。木酢液を疑るミノグチさんは「かえって元気になったみたいですね」。そこへコグレさんがやってきて「足で歩いてるじゃありませんか。団子虫ですよ」

おまけ2。その後、皆の携帯のメールの着信音が一斉に鳴り出したスポットがあった。そこだけ何故か電波が通ったらしい。リッちゃんはさっそく「ヒル」を検索。「予防に木酢液が効く」の文字を発見した。皆、元気いっぱいモクサクエキを肌に塗り込んだ。ミノグチさんもティッシュなど使わず、ペットボトルからいきなり靴にふりかけていた。



おまけ3。私はといえば、「本当にもうダメだ。動けない」というほどに疲れ果てたものだった。息はあがっていないのだが、足の筋肉が言うことをきかないのだ。仕方がないので立ち止まってヤサグレてみせたりした。すると皆が「どうしたんですか高見さん。ヤサグレてますよ」「ほんとだ、ヤサグレてる、ヤサグレてる」。私は心の中で「ふふふ。ヤサグレに成功したぞ」と思ったものの、そんなことに成功しても何になるだろう。「休んでも10歩歩くともう動けなくなる」と言う私に「今は72歩でしたよ」とリッちゃん。「あ! あそこに、地図の看板が見えますよ」とミノグチさん。このように、おだてられたり励まされたりしながら、騙され騙され登ってゆき、とうとうはるか上方からのコグレ隊長の「着いたよ~!」の声に余力を沸き起こして、この日の登山・登りの部を終えたのだった。



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2011年08月27日

最近、恋にウキウキした友人とお酒を飲み、羨ましいと思った中年の井草です。m(__)m


長年働いてる(新しいバイトを探すのが面倒くさいだけですが)ラーメン屋の店長が、最近変わりました。今まででも、何度か変わりましたが、深夜帯の自分には余り関係ありませんでした。
しかし、今回は違いますっ!!
ま~ぁ、うるさいの何のって!基本的に井草は叱られる事、注意される事は嫌いなのです。だから、ヤるのです(最低限)。なのに、グダグタ言ってくる!

バイト先は、ほぼ中国人さん。社員を抜いて98%中国人。リトルチャイナです。井草は中国人の、良く云えばおおらかな、悪く云えばガサツな所が嫌いです。だから、今まで仕事以外の話は一切しませんでした。向こうも「話かけるなオーラ」を察して話し掛けてきませんでした。
しかし、今回の店長が共通の敵となり、よく話すようになりました(主に店長の悪口)。共通の敵が出来ると、今まで嫌いだったのがウソのようです。ちょっと自分が怖くなってしまいました。


話の角度を少し変えると「いじめ」って、こんな感じで始まるのかなぁ~。と、思ってしまったのです。

う~~~~ぅん・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
でもやっぱり、今の店長ムカつく <_<)o>>



kamonegi_shotkamonegi_shot at 02:42│コメント(26)

2011年08月24日

8月23日、シアターカイにて、山本光洋さんの公演に行ってきました


パントマイムやクラウン。全く知らない世界でしたが、山本光洋さんの公演で少しですが知りました。

前にどこかのを見に行ったら、自分には難しすぎて寝てしまいました
それ以来、見に行くのは主に、光洋さんの公演ですが・・・・・。

今回は不思議と泣いてしまいました。
何故だか「優しさ」と「大きさ」を感じました。

う゛~ぅん、何と伝えれば良いのか、自分でもよく解らないけど、今回は「優しい」と思ったのです!! 優しさに泣けたのですっ!!!!!!!!これが言いたかったのですっっ!!!!!!!!!!!山本光洋さん、大きいっっっ!



あっ、ご本人はとてもスリムで華奢な方です。



kamonegi_shotkamonegi_shot at 01:15│コメント(1)トラックバック(0)

2011年08月20日

最近、更新が多い井草です。書き溜めを企んでいます。稽古に入り、本番間近になると書かなくなるからです。m(__)m


自分の周りでは、「ブラックスワン」が好評です。井草も始めは見たいと思ってましたが、良いと聞くと見たくなくなるのです。「告白」もそうでした。ひねくれ者ですから・・・・・。


代わりに、これも見たいと思っていた「さや侍」を見ました。
初めは「う~ぅん」と思いましたが、終わってみたら、井草は好きでした。


「さや侍」を見た方、感想はどうでしたか?




kamonegi_shotkamonegi_shot at 04:16│コメント(0)トラックバック(0)

2011年08月17日

車のアクセルとブレーキを間違えて事故を起こす、という夢を見た、免許のない井草です。



公演が終わると、栗栖さんとレンタカーで荷物を返しによく行きます。東京に出てきて、車にはあまり乗らないので少しワクワクします。(運転をしないので、する側の大変さは分かりません・・・・・。)

陸橋にのると、更にドキドキします!999の世界を味わいます。
坂を上がる。その先が見えないだけに、どこまでも上がれるような、上がりきったその先は、海かもしれないし、草原かもしれない。

見えない先を想像するのは、ドキドキしませんか。




先の見えない人生は、不安でドキドキするんですけどね・・・・・・。

kamonegi_shotkamonegi_shot at 01:33│コメント(0)トラックバック(0)